第385話

エラ

車での旅行が嫌いだと気づくのに、ほんの一時間ちょっとしかかからなかった。

「もう、マジで」巨大なRVの振動が私たちを揺さぶり続け、かわいそうなレイフが不快そうに唸るのを感じながら、コーラにつぶやく。「もう夜?止まれる?」

「赤ちゃんみたいね、エラ」妹は笑みを浮かべながら顔を上げ、ロジャーの黒いチェッカー駒を三つ飛び越えて取りながら言った。「楽しいじゃない!」

「あなたが楽しいのは、ロジャーを三回連続でボコボコにしてるからでしょ」窓の外を見ながらため息をつく。

「マジで」ロジャーはキッチンコーナーの白い革のブースに背をもたれさせながらため息をついた。「もうやめてくれよ、コーラ。エ...

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