第17話

セスは知らぬ間に止めていた息を吐き出した。彼女の目は恐慌状態で群衆を見渡し続けていた。友達が一番必要な時に、エイミーとゲイブはどこかへ消えてしまったのだ。セスは同じ場所に留まることが面倒を招くかもしれないと判断した。ドミニクはすでに恥知らずであることを証明していたので、また近づいてくるかもしれない。

「いつも私よ、いつもトラブルに巻き込まれて、馬鹿な輝く鎧の騎士に助けられなきゃいけないのは。独立した強い女性になるってこれじゃないわよ」彼女は小声で吐き捨てた。

おそらく、クラブ内を歩き回って群衆に紛れる方が良い選択だろう。ダンスフロアから離れていれば、彼女は大丈夫なはずだ。あのろくでなしのた...

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