第11章 正面対決

態度を表明した後、私は勢いよく部屋を飛び出した。

外で盗み聞きしていた人々は散っていった。

あからさまに、そっと、私を値踏みするような、嘲笑うような、同情するような視線が私に注がれていた。

心の中では分かっていた。強気な言葉を吐いたものの、渡辺光との結婚はとうの昔に形骸化していたのだ。たとえ離婚しなくても、もう二度と元には戻れない。この婚姻を維持しても、ただの怨み合う夫婦になるだけ。

男がいなくたって、私は生きていける。

5階の院長室に出勤届を出しに向かった。流産したばかりでも、仕事に戻らなければならない。男なんか当てにならない。自分で稼ぐしかない。母の治療費が必要なのだ。医師は母...

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