第20章 遊べないなら遊ぶな

秋山美咲が興奮すればするほど、私の気持ちは複雑になっていった。

渡辺光が理性を失って、全財産をこの賭け台に賭けることを望まないと同時に、藤原大輔に勝ってほしいとも思っていた。

しかし、カジノは戦場のようなもの。勝者がいれば敗者もいる。

ふと気づいた。今日、ここに座っていること自体が間違いだったんだ。

私がまだカードを開く前に、渡辺光は我慢できなくなり、傲慢にカードを叩きつけた。すぐさま観客から驚きの声が上がった。

「九点だ!なんて運がいいんだ」

「くそ運め」森川琴子は低く呟いた。もう勝ち目がないと悟り、後ろに寄りかかって勝負の決着を待った。

「チッ、なんでこいつばっかり運がいい...

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