第21章 幸せと不幸

藤原大輔は私の驚いた表情を見て、面白そうに笑った。煙の向こうにある彼の笑顔が幻想的だった。

「ちょうどいい。俺も要らないんだ。どんな女でも俺のベッドに上がれると思うなよ。それに、お前の体が百万ドルの価値があるとでも?」

秋山美咲の怯えた様子を見て、私は内心で快感を覚えた。

彼女はいつも院長のお父さんを後ろ盾に、総合病院の規定に反する服装で、既婚男性を誘惑していた。

院長のお嬢様で、仁和病院一番の美人と呼ばれた秋山美咲。かつての彼女の自信に満ちた姿とは対照的な屈辱的な表情を浮かべていた。

でも渡辺光は百万ドルなんて用意できるはずがない。藤原大輔がどれだけ追い詰めても無理だ。まさか手足...

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