第24章 この家は家のようになった

慌てて拾おうとしたその瞬間、藤原大輔が私より早くバスタオルの端を掴んでいた。

顔が真っ赤になり、バスタオルを引っ張った。

「離して!」

彼は聞く耳を持たず、自然な動きでバスタオルを拾い上げ、私をしっかりと包み込んだ。

何か言われるかと思ったが、彼は何も言わなかった。先ほどの軽薄な態度とは打って変わっていた。

胸がドキドキして、目を合わせる勇気など到底なかった。

そんな気持ちが揺れている時、藤原大輔は強引に私を抱き寄せ、スマホでパシャリと一枚。

「何するの?」スマホの画面を見て慌てた。

写真には浴衣姿の彼と、バスタオル姿で彼の胸に寄り添う私。誤解を招きかねない一枚だった。

彼...

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