第26章 悪い知らせ

あの日以来、渡辺光はほぼ毎日私に電話をかけてきた。うんざりした私は、とうとう携帯の電源を切ってしまった。

一週間後、総合病院の同僚が訪ねてきて、最後の心の支えまで崩れ落ちるような悲報を告げられた。

母が亡くなった!

路地を飛び出し、総合病院に向かって走り出した。しばらく走ったところで、一台の車が前に横付けされた。藤原大輔だった。

彼は私を総合病院まで送ってくれた。

医師によると、母は朝の6時に亡くなったという。

昨夜、母の容態が急変したが、私と連絡が取れなかった。朝になって、同僚たちが渡辺光に尋ねて、やっと私の現住所が分かったそうだ。

霊安室で立っているのもやっとで、目の前の安...

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