第30章 場所を片付ける

スカートが引き裂かれる音が一瞬にして私を絶望の淵に突き落とした。

「渡辺、離れなさい!気持ち悪い!」

全力で押しのけようとしたけど、女の力なんて所詮男には敵わない。ましてや渡辺光は怒りに我を忘れて正気を失っていた。

「俺が気持ち悪い?佐々木佳恋、お前こそ清いわけじゃないだろ?藤原大輔とやったくせに、今更貞女ぶってんじゃねぇよ」

血走った目で睨みつけながら、鉄のような腕で私を押さえつける。もがいても無駄だった。

「渡辺光、離して!」

彼は嘲笑うように狂った笑みを浮かべた。

「叫べよ。誰も助けなんか来ねぇ。俺はお前の合法的な夫なんだからな!」

そう、私たちは合法的な夫婦だった。

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