第8章 自分を信じる

「男として忠告するのか?」

横目で彼を見やった。

「人としての忠告だ。人は誰でも損得を考え、自分にとって最も利益のある選択をするものだ」

車を走らせていると、途中で木々が伐採されている場所に出くわした。

一列に並んだ木の切り口が、はっきりと目に入ってきた。

藤原大輔は車を森の端に停め、最も大きな木の前に立ち止まってしばらく眺めた後、私を手招きした。

戸惑いながらも車のドアを開け、彼の元へ向かった。

二人でその木の前に立ち、藤原大輔は人差し指で切り口をコツコツと叩きながら、笑顔で私に言った。

「昔聞いた話なんだけど、木を叩くと厄除けになるんだって」

「叩いて、願い事してみたら...

ログインして続きを読む