第30章 青木空

鈴木瑠璃の心臓は一瞬沈んだ。彼女の表情が急変するのを見て、藤原圭は満足げな様子を見せた。

「怖くなったか? お前に教えてやるが、これはまだ始まりに過ぎないんだぞ!俺を陥れようとして、蛍をいじめるなんて、絶対に許さないからな!」

そう言い放つと、容赦なく鈴木瑠璃を突き飛ばした。

ベッドの縁に伏せる鈴木瑠璃は、まるで魂の抜けた人形のようだった。

決して屈服したわけではない。ただ体中の痛みで疲れ果て、立ち上がる力さえ残っていなかった。

痛いなら、痛めばいい。

もしかしたら、この身体の痛みが、頭をクリアにしてくれるかもしれない。

前夜のクラブでの騒動の結果、翌日、鈴木瑠璃が起き上がる力...

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