第17章 偽物

水原美香の声が会場に響き渡り、パーティーは乱れ、彼女は水原蛍に向かって勢いよく駆け寄った。

2人は自然と離れた。

水原蛍は身をかわし、逆手で彼女の顔に平手打ちを食らわせた。彼女が恥知らずなら、自分も彼女に面子を与える必要はない。

水原美香はその平手打ちで少し茫然とした。

「私を殴る?あなた、本当に私を殴るの!」

「殴る?あなたみたいな人は殴られるべきだ。しつけがなっていない。私はあなたのためにやっているんだから、感謝する必要はない」

水原蛍は手だけでなく口も容赦しなかった。

「あなた…」水原美香は一瞬何と言っていいかわからず、高橋逸人を見つめ、涙がこぼれ落ちた。情けは人のためな...

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