第26章 後ろの人

葉田俊夫が一向に悔い改める気配を見せないのを目の当たりにして、水原蛍も手を緩めるつもりはなかった。

「高橋社長、この件について、説明が必要です!私個人の名誉だけでなく、輝煌グループのためでもあります!」

水原蛍には人を解雇する権限はない。この問題は自ずと高橋逸人に任せるしかない。

水原美香は焦り始めた。どう考えても、葉田俊夫は役に立つ存在だ。彼を解任するなんて考えられない。「水原蛍、調達部に問題があったとしても、彼らは指示に従っていただけです。あなたは…」

「どうしたの?全国でもっとも権威ある鉱産資源供給基地、牛久山脈の問題があるのか?」

「違う…私はただ…」

水原蛍は水原美香の...

ログインして続きを読む