第21章 自ら罠にかかる

「ありがとう、鈴木さん、でも私は病院に行きたくないの」後部座席に座り、椅子にもたれながら後ろの景色を眺める水原寧々が言った。

「わかりました、水原さん、社長が言ってました、もし病院に行きたくないなら、送って帰ります。座席の隣のバッグには、携帯電話と他の個人物品が入っています」

水原寧々は携帯電話の画面を見つめ、60件以上の着信があり、安田さん以外はすべて同じ知らない番号からのものだった。

ふん、自分が傷つけられた進捗状況にどれほど注目しているのだろう?リアルタイムで追跡しているのか?こんなつまらないことをする人物、藤原南しか考えられない。

水原寧々は無視し、安田さんに電話をかけた。

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