第27章

その夜のこと。

葉山萌香は佐藤甘との約束通り、ご馳走を奢った。

会ってみると、葉山萌香が怪我をしていることを知った。

葉山萌香は心配でたまらなかった。

事の顛末を佐藤甘に話すと、彼女は厨房からナイフを借りて、拘置所の新海卓のところへ殺しに行きたいとまで言い出した。

「これって労災じゃない！社長は補償金を払うべきよ！」最後に佐藤甘は憤慨して言った。

「大丈夫、うちの社長は...気前がいいから」葉山萌香は笑いながら、パフェを佐藤甘の前に押し出した。「まあまあ」

「萌香が優しすぎるのよ。会社のあいつらだって、何かあれば全部あなたのせいにするじゃない！」

新海の母親の口座を突き止めら...