第21章

私は腰をかがめて彼女の頬を手で包み、礼儀正しく言った。

「今からコンビニに行くところなの。一緒に行く?」

時計を見ると、ちょうど昼時だった。法律事務所の見学の後で、平沢雪乃さんたち同僚と一緒にランチをご馳走することもできる。

「美咲さんが家にいたくないなら、学校に戻って勉強するのもいいんじゃない」

佐藤美咲が反応する前に、私は寝室を出て、クローゼットへ向かい、場にふさわしい服を選ぼうとした。しかし、クローゼットに入った瞬間、山本翔一がここに隠れて佐藤美咲の写真を見ながら自慰行為をしていた場面が脳裏に浮かんだ。

最初に発見した時は驚きと悲しみだったが、今思い返せば怒りと嫌悪感の方が強...

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