第24章

エレベーターを降りると、案の定、山本翔一がエレベーターのドアに寄りかかって私を待っていた。

夕陽が差し込み、彼の姿に当たっていた。そのハンサムな外見にさらに金色の縁取りを施したようだった。

山本翔一との結婚生活は四年目。彼が私の帰りを待っている姿を何度も想像したことがあった。でも、その瞬間が実際に訪れた今、私はただ悲しかった。

彼に構わず、そのまま横を通り過ぎようとした。

「鈴木静香、説明することはないのか?」

山本翔一は怒りを滲ませながら手を伸ばして私の行く手を遮った。

「あなたの大事な妹の佐藤美咲のところにいないで、私に何を説明しろというの?」

私も当然良い顔をするはずがな...

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