第22章

ホウデンは少し躊躇した。アネルの言葉には裏があり、暗殺者を差し向けたのは家の者だと言っているようだ。

しかし、そんなことがあり得るだろうか!

彼は苛立ちながら身をかがめ、暗殺者の手を掴んだ。そこには武器の訓練で出来た古い胼胝が一面に広がっていた。さらに彼の傷を見ると、確かに剣による傷で、しかもこれほど手際よく仕留められるのは剣の使い手としての達人でなければならない。ただ……

ホウデンは躊躇いがちに口を開いた。

「服の裂け目は、鋭い剣で切られたようには見えないな」

暗殺者はもともと黙り続けるつもりだったが、エリサが物静かに一歩前に出たため、しぶしぶ顔を横に向け、嗄れた声でゆっくりと言...

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