第50章

川崎玲子は驚愕に目を見開き、信じられないという表情で尋ねた。

「冗談じゃないわよね?」

藤原夜は冷たく「ふん」と鼻を鳴らし、眉を上げて問い返した。

「俺が冗談を言うように見えるか?」

冗談には見えない。

彼はいつも言葉通りの行動をし、几帳面な男だった。

しかし、冗談であろうとなかろうと、それは許されない。

「ここは美咲の家よ。あなたの立場にも相応しくないわ。ラーメン食べたら早く帰ってちょうだい。今度ちゃんとご馳走するから。あっ、もし黙ちゃんが寝ているから不便だと思うなら、黙ちゃんをここに置いていってもいいわ。明朝私が連れていくから」

川崎玲子は真剣に言い、彼の退路を完全に断っ...

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