第102章 好きなのに認める勇気がない

山本希は包帯で巻かれた傷口を見て、「ふむ、いくらだ?」と尋ねた。

「いいえ……結構です」彼らは急いで口を開いた。

この病院は高橋グループ傘下の私立病院とはいえ、彼らの医師資格は正式に取得したものだ。

先ほどの会話も一部聞こえていた。もし山本希が本当に訴えるとなれば、彼らの職業人生は終わりだ。

高橋清渕は村上奈央の首に巻かれた包帯を見て瞳孔が縮み、ポケットに入れていた手が一瞬止まった。「彼女の首はどうしたんだ?」

「先ほど奥様が命を賭けて近づくなと脅した時に首を切り、その後ボディーガードが小刀を取り上げる際にまた少し皮膚を傷つけてしまいました」秘書は事実をそのまま説明し、誇張すること...

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