第111章 邪魔しないで

山本希はすでに先ほど蹴り飛ばした一人が自分に向かって歩いてくることに気づいていた。

渡辺絵里の手が彼女に触れる前に、背後の人間に回し蹴りを決め、ついでにその手にあった鉄パイプを奪い取った。

この動きに、その場にいた全員が息を呑んだ。

「お前……」男は眉間にしわを寄せて彼女を睨みつけた。「一体何者だ」

山本希は鉄パイプを手に彼らに向かって歩き出したが、一言も発しなかった。

二人の男は顔を見合わせ、今日手を出さなければ、後々自分たちに良い日はないことを悟った。

そう思い至り。

彼らは地面から新たに鉄パイプを拾い上げた。

「さっきは油断してただけだ。今すぐ服を脱いでそこに横になれば...

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