第135章 合作が成立する

応接室にて。

石田部長は山本希と席秘書を見て、心の中でようやく安堵のため息をついた。

幸いにも以前の提携交渉に来た人たちではなかった。もしそうだったら、今日もまた表面上は笑顔を振りまきながら、内心では大変な思いをすることになっていただろう。

「少々お待ちください」石田部長は上機嫌で言った。「専務がすぐ参ります」

山本希はいつもと変わらぬ落ち着きぶりで「わかりました」と答えた。

石田部長は誰かに彼らと話をさせておいて、自分は専務を呼びに行った。

彼はすっかり気が楽になり、専務室に入ると、「よかった、今日来たのは前の連中じゃなくて。そうじゃなかったら、社長が来た時にどう説明したらいい...

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