第145章 二人の約束

「まず一つ目、以前の出来事の黒幕を先に見つけ出すこと」山本希は一つずつ条件を述べた。

「二つ目は、射撃の腕前で私に勝つこと」

佐藤悟はこの二つの条件が難しいとは思わなかった。

「三つ目は?」

「まだ考えてない」山本希は視線を彼に向けた。

「この二つをクリアしたら、教えるわ。先に言っておくけど、全部で私に勝てなければ、あなたの負け。負けたら一生私に関わらないで」

「いいよ」

佐藤悟は即答した。

山本希は内心ほっとした。これでしばらくは静かに過ごせる。

彼女は腕時計を見て、もう十時を過ぎていることを確認し、一言一句はっきりと言った。「今なら扉を開けて、帰らせてくれる?」

「今...

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