第152章 希ちゃんが来なければお見合いに行け

「彼のことは放っておいて」山本希はいつも佐藤悟のことに冷淡だった。「他にどこか見たい所ある?行こう」

「上の階」

「いいよ」

二人はこうして佐藤悟を完全に無視した。

あるショップに着くと、山本清語は中に入って服を試着し始めた。店員は外に立っている佐藤悟を見て、試しに山本希に尋ねた。

「お客様、外の男性はご一緒の方ですか?」

「違います」山本希はとても淡々と答えた。

彼女はもともと美しく、さらに落ち着いた表情をしていたので、店員はすぐに信じた。

店員は言いよどんだが、それでも山本希に告げた。「お帰りの際はご注意ください。彼、ずっとお二人を追いかけているようです」

「ありがとう...

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