第158章 なんで私を殺すの

二人はしばらく睨み合っていた。

山本希は携帯を取り出して電話をかけ、スピーカーモードにしてテーブルに置いた。

覗き見防止フィルムがついているため、渡辺絵里は彼女が誰に電話をかけているのかわからなかった。聞こうとした瞬間、電話から声が聞こえてきた。

「もしもし」

佐藤悟の声だった。

彼は山本希からの着信を見て、幻覚かと思った。

しかし、よく確認すると確かに彼女の番号だったので、すぐに心を落ち着かせて電話に出た。

山本希は携帯に向かって言った。「あなたの元カノがあなたを殺そうとしてる。協力するか聞いてる」

「?」

「?」

二人はほぼ同じ反応だった。

「なぜわたしを殺す必要が...

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