第19章 義姉がいなくなる

小林秘書は運転しながら、後部座席に座る二人の息遣いを感じていた。

三人とも沈黙していて、小林秘書は焦っていた。

社長のここ数日の行動から、彼はある予感を抱いていた。

離婚後、社長は奥様を取り戻そうとするかもしれない。

そんな可能性を考えると、小林秘書は落ち着かないような気分になった。

そうなれば、自分が最大の被害者になるのは間違いない。

社長が奥様を追いかける手助けをしながら、奥様の冷たい態度に耐えなければならない。

我慢できずに助言した。「社長、奥様と離婚しないわけにはいきませんか?」

「黙れ」

小林秘書は諦めきれなかった。「奥様、もう一度このことについてよく考えていただ...

ログインして続きを読む