第72章 山本希の初恋

「佐田さんもあまりこういうのに興味ないみたいだし」坂田和人は適当に一つ挙げ、佐藤悟がそれを終えると次のラウンドに進んだ。

連続で四回、山本希の番は一度も回ってこなかった。

あっという間に。

第五回戦が始まった。

「俺が『大』だ」佐藤裕也は瞳の奥に見えない面白さを宿しながら、軽く尋ねた。「誰が『小』?」

「俺じゃない」

「俺じゃないね」

「俺でもない」

坂田和人、高橋清渊、中村天羽が口を開くと、佐藤裕也の視線は自分の兄と山本希に向けられた。

ゲームが、正式に始まった!

山本希はカードを開いて一目見ると、とても落ち着いた様子でそれを受け入れた。「私です」

「真実か挑戦か?」...

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