第10章 代わり

「どうやって見つけたんだ?」

「村上さん、事情はこうなんです。この老人が宴席で鈴木さんに目をつけて、一晩寝ないと院長に何かするぞと脅したんです」部下が答えた。「院長は追い詰められて、鈴木さんを送りました。でも鈴木さんは死んでも従わず、逃げ出して、追いかけられる中で偶然あなたの部屋に入ってしまったんです」

村上龍平は目を細め、部屋に足を踏み入れた。

その時、床に転がっていた老人が怒鳴った。「お前は誰だ!俺を縛るとは、俺が誰か知らないのか!」

「ほう?」村上龍平は眉を上げた。「お前は誰だ?」

「村上家を知っているか!H市で一番の名門だぞ!」

「聞いたことがある」

老人は得意げに言っ...

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