第100章 何故あなたの子供だけが助かるのか!

松本由美は何度もうなずいた。「はい、わかりました」

ありがたい。

子供はまだ無事だ。

彼女は喜びに手を上げ、涙を拭った。

しかし村上龍平の手が突然彼女の顎をつかんだ。「松本由美、なぜお前の子供だけが無事なんだ!?」

同じように転んで、同じように階段を転げ落ちたのに、彼と鈴木千夏の子供は守れず、流産した。

なのに松本由美は何ともないのか?

不公平だ!

松本由美は強制的に顔を上げさせられ、彼を見つめた。「鈴木千夏のお腹の子は...助からなかったの?」

「そうだ!」

「あなたの気持ちはわかります。初めて父親になるわけですから、子供を持つこ...

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