第108章 村上さんの結婚指輪を盗むなんて!

田中隆司は困惑した。「貸すって?」

「はい、やはりこれは私がデザインした指輪ですから、もう少し研究したいんです。それに、高級オーダーメイドジュエリーに触れるのも初めてですし」松本由美は微笑んで言った。「よろしいでしょうか?」

田中隆司は少し考えてから、承諾した。「もちろんいいよ」

松本由美はさらに続けた。「あの、田中さん、余計なトラブルを避けるために、村上龍平には言わないでいただけますか。私が指輪を持っていると...何か悪さをするつもりだと思われたら困りますので」

「わかった。まだ指輪は受け取っていないと言っておくよ」

「ありがとうございます」

「気にしないで」田中隆司は答えた。...

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