第120章 私は父を殺された恨みを捨て、あなたは子供を捨てる

しかし先ほど、院長の「彼は松本由美の雑種を容認できる」という一言が、瞬く間に彼の怒りを頂点に達せしめた!

長い年月、松本由美だけが、村上龍平の最高かつ最大の怒りを簡単に引き起こすことができる唯一の存在だった!

そう、松本由美の腹の中の子供は、これほど長い時間が経っても、まだそこにいる。

彼は普段なら決断力のある男だが、松本由美に関しては優柔不断で迷いがちで、彼女に対して何度も何度も心が柔らかくなってしまう!

村上龍平は脇の椅子を蹴り倒し、大股で書斎を後にした。

「村上さん」彼が階下に降りてくるのを見て、執事が急いで近づいた。「どちらへ……」

「消えろ」

村上龍平は...

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