第122章 悪魔の恋

村上龍平は彼女を力強く突き飛ばした。その力は相当なものだった。

松本由美は二歩後ずさり、結局踏ん張りきれずに床に倒れこんだ。

ドアが「バン」と大きな音を立てて閉まり、村上龍平は立ち去った。

彼なりの愛し方……

それは悪魔の愛し方だった!

松本由美の心は沈み続け、掌を強く握りしめた。

すでに遅い時間だった。村上龍平は夜の闇の中を歩き、殺気立っていた。

そう、松本由美はまた正しかった。

彼は愛を知らず、誰かを本当に愛したこともなかった。

かつては鈴木千夏を愛していると思っていたが、今では気づいていた。彼は鈴木千夏に対して何の感情も抱いていないことに。

しかし松本由美への感情は...

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