第163章 松本由美がいなくなった

「そんな目で見ないでよ、事実を言っているだけよ」松本由美は答えた。「村上龍平、私は一人の人間よ。生きた人間、自由な人間。あなたが私をずっとコントロールするなんてできないわ！」

彼女が男性同僚と話すことまで、彼は口を出すつもり？

そこまで干渉するなんて！

「俺はただ気になっただけだ……」村上龍平は口調を和らげた。「お前が他の奴とあんなに親しげにしているのを見て、嫉妬したんだ」

もっと大らかでいたいと思っているが、そうはできなかった。

村上龍平はいつだって欲しいものは手に入れ、望むものを得てきた。彼が目を付けたものは必ず手に入れる。

同様に、彼が愛した女性が他の男に一目でも見られたら...