第17章 医者、あなたは間違っていませんか

松本由美は彼の真面目な答えを聞いて、少し信じられない様子で尋ねた。「マジ?」

「俺が嘘をつくか?」村上龍平は問い返した。

確かに。

彼女のために嘘をつく価値なんてない。

松本由美は慌てて起き上がった。自分が夢遊病で村上龍平のベッドまで来てしまったなんて!彼が自分をベッドから放り出さなかっただけでもマシだ!

「何をもたもたしている?さっさと出て行け」村上龍平の叱責が彼女の思考を遮った。

松本由美は頷いて従い、数歩歩いたところで頭が重く足がふらつくのを感じた。めまいがする。

喉も乾いて痛い。

風邪を引いたのだ。きっと昨夜水に濡れて冷えたせいだろう。

だが松本由美はそんなこと...

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