第170章 由美ちゃん、しっかり生きていって

「持ちこたえて、村上龍平、救急車はすぐに来るから、すぐに……」松本由美は呟いた。「私のために、ね?眠らないで、もう少し頑張って……」

彼女はこんなにも恐れていた。

村上龍平は手を上げて彼女の涙を拭いてあげたかったが、もう力が残っていなかった。

この腕が、もし助かるなら、それだけでも上出来だろう……

松本由美は彼を抱きしめ、頭を下げて彼の頬に寄り添い、ただ彼とぴったりと寄り添っていたかった。

「どうしてこんなに馬鹿なの……なんで?鈴木千夏が自分を傷つけろって言ったからって、本当にやるなんて!」

「それに刀をそのまま引き抜くなんて、失血死するかもしれないのに?あなたの手、もういらない...

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