第175章 君のために、全世界を敵に回すことができる

松本由美はまず無意識に村上おじいさんの顔を一瞥してから、歩み寄った。

聡明な村上龍平は、もちろん彼女のその一瞥を見逃さなかった。

彼も村上おじいさんの方を見た。「おじいさん、俺はどれくらい意識不明だったんだ?」

「四日になる」

「じゃあ、その間、おじいさんは松本由美に何をした?」

村上おじいさんは一瞬固まった。「龍平、それはどういう意味だ?俺を詰問しているのか?」

「おじいさんは質問に答えるだけでいい」

「ふん!」村上おじいさんは言った。「俺は松本由美に帝苑テラスでおとなしくしているよう言い、お前に近づけないようにした!それが間違っていたというのか?...

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