第183章 村上龍平が来るのが早すぎた！

もし、まだ探し続けるとすれば、由美は逃げ切れるかもしれない。

「彼女は村上おじいさんが送り出したんだ。村上龍平が正確な場所を知りたければ、簡単なことじゃないか？」

夏目真理子はため息をついた。「はぁ」

飛行機が空を横切り、次第に遠ざかっていく。

アメリカ、邸宅。

松本由美は窓辺に立っていた。

今は昼間で、晴れ渡った空だが、彼女はH市では今が夜だと知っていた。

自分がどこにいるのかわからないが、どうせ外には出られない。動ける範囲はこの邸宅だけだった。

使用人はみな黒い肌の外国人で、慎重に仕事をしていた。彼女たちと話すこともほとんどなかった。

「これで逃げ出せたのかしら？いいえ...