第199章 由美ちゃん、ちょっと慰めてくれない?

「確かに、五十億さえ手に入れば、あなたは去るんだね?後悔しない?」

「そうよ」

「村上龍平と心から愛し合っていると口にしていたじゃないか。あなたの愛とは、結局金で量れるものだったのか?」

松本由美は答えた。「私たちは確かに心から愛し合っているわ。でも、あなたがくれる金額が多すぎて、断れないのよ」

そう言うと、彼女は颯爽と身を翻した。

二歩も歩かないうちに、松本由美はピタリと足を止め、その場に凍りついた。

村上龍平がそこに立ち、彼女に視線を落としていた。表情は明らかに険しい。

いつ来たの?

今の会話を...全部聞いていたの?

「五十億?」村上龍平が歩み寄り、彼女の前に立った。...

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