第20章 松本由美のお腹を蹴る

鈴木千夏の顔には他人の不幸は蜜の味の表情が浮かんでいた。

一人の私生児、これでようやく始末できたわね!

心の大きな厄介事を解決したわ!

「松本由美」村上龍平は異変に気付き、「なぜお前は下から血を流している?」

気を失いそうなほど痛みを感じていても、松本由美は妊娠の事実を口にしなかった。

彼女は下唇をかみ締めて血が出そうになりながら「わ、私の生理、生理が来たんです……」

村上龍平は嫌悪感を露わにして眉をひそめた。

「村上さん、病院に連れて行った方がいいんじゃないですか?」鈴木千夏が尋ねた。「彼女、すごく苦しそうですよ」

どうせ子供はもういないし、...

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