第22章 ゴミ拾いが見つかった!

松本由美はようやく車のドアを開け、席に座った。

「怪我はないか?」

彼女は首を振った。

「なかなか機転が利くな」村上龍平は冷ややかに嘲笑った。「自分の身を守るのを知っているようだ」

「あと少しで危なかった」

松本由美はそう言いながら、無意識に腹部に手を伸ばそうとした。

村上龍平が隣にいることを思い出し、彼女の動作は強制的に止まった。

「この件はこれで終わりだ」彼は警告した。「鈴木千夏に仕返しをしようなどと考えるな」

「随分と買いかぶってますね。私にそんな度胸ありませんよ」

鈴木千夏は彼の大切な人で、必ず娶ると約束した女性だ。彼女がどうして太刀打ちできるだろうか。

損をする...

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