第35章 村上おじいさんのスパイ

斎藤智子は目を丸くした。「なに?」

「偽物?」松本由美も衝撃を受けていた。

確かに……鈴木千夏はわざわざ身につけて自慢しに来たのに。

どういうことだろう?

鈴木千夏は歯を食いしばった。「最初から偽物よ。私は……ただの飾りとして買って付けてただけよ!」

彼女はただ松本由美の前で自慢したかっただけなのに、まさか斎藤智子を引き寄せるなんて!

「じゃあ本物はどこ?」斎藤智子はすかさず尋ねた。「龍平、浮気相手にあげたんじゃないでしょうね!」

松本由美も好奇心を隠せなかった。

「ずっと俺の手元にある」村上龍平は顔を曇らせて言った。「お前はどうやって鈴木千夏を見つけたんだ?」

斎藤智子は...

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