第44章 松本由美に暴かれる

この押したり引いたりでどうしたことか、どこかの医療機器のコードに引っかかってしまったようだ。ドンという音とともに何かが落下した。

ちょうど院長の胸の上に落ちたのだ。

「ゴホッ、ゴホッ!」

院長は激しく咳き込んだ。

もともと演技だったのに、こんな風に何かを落とされては、もう取り繕えるはずもない。

院長は目を開き、手を伸ばして胸の上の医療機器を動かそうとした。「ちょっと手伝ってくれ……」

この機械は見た目は小さいが、実際はかなり重く、院長一人では持ち上げられない!

鈴木千夏は急いで手伝いに行った。「お父さん!」

「ゴホゴホ、潰れるところだった」院長...

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