第50章 あなたは松本由美に恋をした

スポーツカーが道路を疾走し、最終的に高級バーの前で停車した。

村上龍平が車から降りると、通りがかりの女性たちが羨望と憧れの眼差しで彼の姿を見つめていた。

高身長でハンサム、そして金持ち——そんな男性は女性に大人気なのだ!

「村上さん、いらっしゃいませ」バーのマネージャーが自ら出迎えた。「いつもの席でよろしいですか?」

「ああ、酒を持ってこい」

「かしこまりました、少々お待ちください」

村上龍平が個室に向かうと、そこには田中隆司の姿があった。

彼は田中を蹴飛ばすように促し、身をかがめて座った。

「よう、飲みに来たのか」田中隆司が言った。「その険しい顔、誰かに金でも借りられたか?...

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