第51章 あなたが欲しいなら、私が持っている限り

「彼女のために酔い潰れるなんて、彼女にその価値はあるか?」

その言葉を聞いて、鈴木千夏が喜ぶ間もなく、村上龍平はさらに言った。「あいつは金に困って、俺に頼らず、渡辺川に行ったんだ……あいつが愛してるのは渡辺川だ!」

「松本由美が渡辺川さんにお金を借りたんですか?」

「ああ、母親の薬代のためにな!」

村上龍平は拳を固く握り締め、テーブルを強く叩いた。そして、ふらふらと立ち上がった。

鈴木千夏はその様子を見て、彼をホテルの部屋まで送ろうと決めた。

自分が松本由美だと偽って認めてでも、村上龍平を騙さなければ!

このチャンスを逃すわけにはいかない!

鈴木千夏は立ち上がり、村上龍平を支...

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