第53章 鈴木千夏が録音した

執事は礼儀正しく毅然としていた。「鈴木さんは、その腕前を持ってから言うべきでしょう」

鈴木千夏が怒りかけたとき、ドアが開いた。

村上龍平が中から歩み出てきた。

「病院に連絡しろ。松本由美の母親から目を離すな。松本由美を近づけるな!」彼は命じた。「もし何かあれば、お前たちが責任を取ることになるぞ」

「村上さん、あの薬は……」

「与えるな!」

執事は残念そうに首を振った。あと一歩だったのに。

全て鈴木千夏のせいだ。彼女がもう数分遅く来ていれば、奥様の母親は今月の薬を飲めたはずだった!

鈴木千夏は得意げだった。「ほら見なさい、松本由美を助けたいの?夢...

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