第59章 もうやめて、やめてください!

「……あなたが見たとおりよ」と松本由美は答えた。「でも彼とは何も起きてないし、仕事の話もしてないわ。ただの友人として会っただけ」

「友人?」

「そう」

村上龍平は歯を食いしばった。「いいだろう、松本由美、お前たちが友達すらできないようにしてやる!」

彼女はハッとした。「村上龍平、あなた……」

彼はすでに渡辺川の前に歩み寄り、一気に襟首を掴むと、拳を振り上げて思い切り叩きつけた。

重く、容赦なく。

鼻血が一気に噴き出した。

渡辺川は何歩も後ずさりして、やっと体勢を立て直した。

「何の権利があって俺を殴る?」渡辺川は血を拭いながら言った。「村上龍平、お前が彼女と結婚したなら、ち...

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