第62章 村上龍平、あなたが憎い!

彼女は生きていた。

子供はどうなったのか?

看護師はさっき行ってしまったばかりで、もう戻ってこない。松本由美の声はあまりにも小さく弱々しく、部屋の外まで届くはずもなかった。

彼女は布団をめくり、苦労しながらベッドから降りた。

足が地面に着いた瞬間、力が入らず、膝から崩れ落ちそうになった。

松本由美は歯を食いしばり、必死に外へ向かって歩き出した。「看護師さん、私の子供は...どうなったんですか...」

死んだの?それとも生きているの?

やっとのことでドアまでたどり着いたとき、外から誰かがドアを押し開けた。

顔を上げると、松本由美は村上龍平の深い瞳と目が合った。

二秒ほど見つめ...

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