第66章 由美のお母さんが松本由美の現状を知る

「彼は濡れた服を着替えずに、体温だけで乾かしたんです。こんな無理をすれば、体がもつわけがないでしょう。村上さんは朝早く帰ってきた時から咳をしていました」

「この二日間は薬を飲んで少しはましになったけど、まだ咳が続いています。それに会社にはまだ彼が処理すべき問題が山積みで...はぁ」

話を聞き終えて、松本由美はしばらくの間、ゆっくりと瞬きをした。

村上龍平は一体何を考えているのだろう?

彼女は、彼のことがますます読めなくなっていると感じていた。

彼女に死ねと言ったのも彼、生きろと言ったのも彼。

おそらく、村上龍平はこの支配感を楽しんでいるのだろう...彼女の生死も、その他のことも、...

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