第67章 梵潤ジュエリーの買収

松本由美の母は目の前が眩み、暗くなった。

彼女の愛娘は、今までずっとこんなに辛い生活を送っていたのだ……

それなのに松本由美は毎回来る度に、いつも笑顔を絶やさず、良いことだけを伝え、苦しみは隠していた。

母はつぶやいた。「可哀想な由美よ、私たちがお前を引っ張って、お前を傷つけてしまったのね……」

「おばさま、どうぞ安心して療養なさってください。お金のことはどうにかなりますよ。全て娘さんの命を削って繋いでいるんです。今は若いから何とか耐えられていますが、数年後はどうなるでしょうね?」

母は車椅子に力なく座り込み、虚ろな目をしていた。

「まあいいでしょう、もう言うのはやめておきます。...

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