第71章 私一人でやったことで、息子とは関係ない

おもちゃの車、ゆりかご、ベビーベッド、ぬいぐるみ、積み木、おむつ……

車に積みきれないほどで、村上おじいさんが母子用品店をまるごと運んできたのではないかと思ってしまうほどだった。

「とりあえず、これだけ買ってきたんだ」村上おじいさんが言った。「子供部屋の準備ができるよ。男の子か女の子かわからないから、両方買っておいたんだよ」

可愛らしい小さなドレスや高価なおもちゃを見ながら、松本由美の胸は複雑な思いで満たされた。

もし彼女のお腹の子が、本当に村上龍平の子であれば……

どんなに良かっただろう。

しかし、この考えは松本由美の頭の中でほんの数秒しか続かなかった。

なぜなら、隣にいる村...

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