第75章 彼の胸に鈴木千夏が横たわっている

村上龍平も携帯をしまったが、眉間の皺は一向に解けなかった。

鈴木千夏はロマンチックな雰囲気を演出しようと、わざわざキャンドルディナーを用意していた。

外はH市の川の景色、中はキャンドルに照らされた西洋料理、シャンパンにワイン、そして美女。

鈴木千夏はシルクのキャミソールドレスに着替え、胸元まで大きく開いた襟元は非常に露出度が高かった。

香水をつけ、髪を巻いて……今夜こそ村上さんを自分のベッドに連れ込むんだ!

もう先延ばしにはできない!

「村上さん、はい、乾杯しましょう」鈴木千夏は気遣いよく彼にワインを注いだ。「これが私たち初めての夕食なんですね」

村上龍平は彼女とグラスを合わせ...

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